愛おしい人を手に入れたい、自分の思い通りにしたい、その人の心も体も。強い想いが、美しく柔らかな体を歪ませる。皮膚に残った手の跡は、愛しさとは裏腹に身勝手な想いが滲み出る。手に入れたい、自分のものにしたい。意のままにできないもどかしさ。ちょっとした心の揺れ方であっという間に愛が支配に変わってしまう。この世の中で私たちが強い支配を感じる出来事は、実は誰かを愛しむ気持ちから生まれているのかもしれない。

美しく愛おしいものを見た時、ひとはそれを手に入れたいと思う。あらゆる手段を使って支配しようとする。しかしやっとのことで支配したと思っても、結局は何も手に入っていないことを知る。だから一層執着してさらに強く支配しようとするのである。手にしても手にしても、一向に手に入らない。そして苦しみ悶え狂気が生まれる。そのように魅力に取り憑かれた者のことを「虜」と呼ぶ。となると、いったいどちらが支配者でどちらが支配される者なのだろうか？

You long to possess and control the one you love. Your extreme wish distorts the beautiful and elastic body. The marks left on the skin are represented as selfish grasp despite your love. You want to own it, but you can’t. With a slight shift of the heart, love can become control. Maybe the excessive sense of control comes from our adoration of others.

When you see a beautiful thing, you want to possess it. You will use any means to control it. But once you achieve, you realize you haven’t really “got” anything. You try harder to control it. Yet you can’t possess it. Suffering turns to madness. You’re trapped by your desire and will be said as “captive”. After all, who is really in control?